成人式や卒業式の際に、最近流行しているのが、水引や金箔を使ったヘアアレンジです。
ここ数年の傾向として、髪型自体はシンプルですが髪飾りに凝る方が増えているように思います。
今回は、水引や金箔を使った髪型をしたい方に、必要なコツと注意点をお伝え致します。
インスタには要注意!?実はコツがある水引と金箔ヘア
最近のお客様はヘアアレンジをインスタから探していらっしゃることが多いです。
ただ実際に施術する立場から申しますと、可愛いからとかパッと見の印象だけでスタイルを決めることはあまりおすすめしません。
水引や金箔を使ったヘアアレンジは、華やかで見映えが良いというメリットもある反面、繊細で取り扱いの難しさにおけるデメリットもある為、お付けになりたい場合にはよくご検討の上で後悔のない選択をして頂きたいと思います。
水引と金箔ヘアの具体的なコツと注意点
ベースとなるアレンジは、ゆるふわよりタイトでしっかりしたアレンジに
水引も金箔も、元々は髪に付けることを前提としたものではありません。
その為すぐに付けられる状態にはなっておらず、施術者が形を作りながら固定したり、ちぎって貼り付ける必要があります。
しかも水引や金箔は、通常の髪飾りのように髪をしっかりとらえて固定出来るものではなく、何も土台がない場所にはガッチリは止まりません。
ゆるふわなど地肌から浮いている動きのある毛束に水引や金箔を付けても、密着というより乗せているような状態で不安定だと言わざるをえませんので、土台がしっかりしているタイトなアレンジの方が安定します。
金箔を付けた部分は絶対に触らず、水にも濡らさない
金箔のお客様を施術した後には、道具類に金箔が付いてしまい、すぐには次のお客様をお通し出来ません。
時間が経てば経つほどウェットティッシュなどで軽く拭いた程度では簡単に落とせませんし、手に付いた場合はハンドソープを使いかなり擦ってもまだ残っているということもあります。
ジェルやワックスで付けているからシャンプーをすれば簡単に落ちるという人もいますが、甘いです。
確かに全く落ちないというわけではありませんが、落としたはずなのになんかまだキラキラしてるのが残ってる…ここにも付いてる!?というように、あちこちにしぶとく残りやすい特性があります。
金箔にはそういった一面もあり、万が一着物に付いてしまっても簡単には落ちませんし、付け方によっては終わってから髪に付けた金箔を落とすのも、後片付けも楽ではありません。
どうしても見た目の良さばかりが注目されがちで、このようなデメリットはあまり語られないことが多いですが、実際はこのように決して扱いやすいものではないのです。
特に代々使っていてこれからも受け継ぎたいというようなお着物の場合などは、本当に金箔を付ける必要があるのかをよく考えた方が良いです。
実際私自身、金箔を付ける専用の道具を用意し、かなり気を付けていたのにも関わらず、布製のメイクボックスに金箔が付いてしまい、落とせなかったことがあります。
又、着物のクリーニング部門があり長年営業している某呉服屋さんの前撮りや本番では、金箔に限らず不安要素のある物に関しては、例えお客様が持参されていても、落とせないリスクのあるものはうちでは受けていないとはっきり言っていたのを聞きました。
色々な考え方があるとは思いますが、実際触れてみたりお客様の声などを総合的に判断した結果、現状見た目の良さだけの理由で安易にすすめられるようなものではない為、当店でもご希望のお客様にはきちんと説明しご納得の上、判断して頂いています。
金箔水引スタイルはあくまでも装飾としての華やかさやデザインを優先したものであり、持ちや過ごしやすさを求めるスタイルではないのです。
それでも付けたい場合に最小限にリスクを減らすには、とにかく一度仕上がった髪型は一切触らず、雨などで濡れないように気を付けることと、さらに付ける量も考えるということが大切です。
又、編みおろしなど、毛先がすでに襟元に当たるようなデザインの髪型の場合には、着物に触れている部分を避けて金箔を付ける位置を決めましょう。後からショールを付けることも考えて、動くうちに着物に触れる場所や引っ掛かる部分は避けることをおすすめします。
水引は狭い範囲で複雑なデザインにしすぎない
実際あるお客様から聞いた話ですが、お友達が成人式でゆるふわヘアに水引と金箔を付けたところ、途中で崩れてしまい泣いてしまったという、とても気の毒なことがあったようです。
おそらく安定しない場所に水引を付けたか、細かいデザインにしすぎて水引が頭皮に密着していない状態だったことが想像されます。
水引は固さやハリがあるものが多い為、あまり狭い範囲に細かいデザインにしてしまうと、固定しにくいですし安定もしません。
しっかり土台が安定している場所に固定することと、頭の形に対して無理のないデザインにすることをおすすめします。
金箔は細かくしすぎず、いきなり大量に付けすぎない
金箔を貼るときに、あまりに細かく大量にちりばめると、光の加減によってはゴミのように見えてしまうことがあります。
至近距離だけからの見た目だけではなく、ある程度の距離からも分かるような大きさで貼り付けた方が良いでしょう。
重複しますが、金箔は一度付けたら簡単には落とせません。
普通の髪飾りのように、やっぱり量を減らしてくださいということが簡単には出来ませんので、あまり一気に大量に付けることはしない方が無難です。(★人の意見に左右されてしまう人は、金箔ヘアを選ばない方が良いというお話)
ちなみにもし水引や金箔を使うなら、実際具体的にはどんなアレンジが良いのかな…?と思ったあなたへ。
おすすめな水引と金箔ヘアアレンジの参考例。
例えばこのようなアレンジはいかがでしょうか?
これまでお話したコツと注意点をよく押さえた、安定感がありシンプルだけど目を惹くヘアアレンジです🎵
水引は狭い範囲で細かく動かしたデザインにするよりも、このように広範囲にダイナミックな流れで動かした方が安定もしますし、水引の良さが際立つように思います。
金箔もしっかり安定した場所に適度に付けていますので、これぐらいの感じであればリスクも少ないです。
お客様のバランスの良い小顔と青系のヘアカラーが良く際立ち、とても良くお似合いでしたし、スタイルも喜んで頂き無事に一日を終えることが出来たようで良かったです(^^)
このように、少しのコツと注意点を知っておくことで、安心して成人式を迎えることが出来るのではないでしょうか。
最初からメリットデメリットを知っていて選ぶのと知らずに後から困るのとでは、安心感も違うと思います。
実際知らずに後から困ってからこちらの記事を見て下さっている方も多いので、本番を迎える前にお知らせすることが出来ることを願っています。
思い出に残る、素敵な成人式をお過ごし頂けますよう、少しでも参考になれば嬉しいです。
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